家庭動物管理士(3級)を取得してみた。合格率や難易度、勉強方法は?

生き物を取り扱う仕事を行う場合、
取っておくといいのが家庭動物管理士という資格。

 

ペットショップで働き始めて1ヶ月程度で私はこの試験を受けることになりました。

家庭動物管理士とはどんな資格?

「家庭動物管理士」は、国家資格ではありません。

 

一般社団法人全国ペット協会(ZPK)が行っている資格です。

つまり、民間の認定資格なんですね。

 

じゃあ、取ってもあまり意味がないのかというと、そうでもないんです。

 

動物を取り扱う仕事に就く際、
家庭動物管理士の資格を持っていると採用に有利になる場合もあります。

 

なにより、全国の自治体に動物取扱責任者として登録申請する場合、
認定される資格のひとつとされているものなので、取っておくといい資格なんですね。

 

ちょっと話が反れるかも・・・ですが、

2020年6月に「動物愛護管理法」が改正されました。

 

この改定以前は、
動物を取り扱う仕事に半年以上携わり、実務経験があれば
動物取扱責任者として自治体に登録ができていました。

 

でも、この法改正によって、
<半年以上の実務経験+認定資格>の両方がないと動物取扱責任者にはなれなくなりました。

 

つまり、動物関連の学校を卒業していない人は、
資格を取らないと「動物取扱責任者」にはなれないんです。

 

簡単な表にするとこんな感じ。

 

そして、動物の販売等を行う事業(第一種動物取扱業)は、
「動物取扱責任者」がいないと事業ができません。

 

なので、『いつか自分で動物保護活動できる施設を立ち上げたい』
と思っている私の場合、必要不可欠な資格となるわけなんですよね。

 

 

ちなみに、動物取扱責任者として認められるための資格は、
家庭動物管理士以外にもいくつかあるようです。

 

ジャパンケネルクラブ(JKC)の「愛犬飼育管理士」や、
日本愛玩動物協会の「愛玩動物飼養管理士」などが有名です。

 

でも、この2つの資格は、
全国の自治体で資格として認められているかどうかはちょっと不明確。。。

 

「全国の自治体で資格として認められている」とホームページで明確にうたっているのは、
家庭動物管理士だけでした。

家庭動物管理士資格取得にかかる費用

家庭動物管理士の資格取得には、結構な費用が掛かります。

 

まあ、生き物を扱う責任の重さを考えれば。。。

 

・受験料:10,000円
・受講料:20,000円

試験を受けるために合計30,000円が必要です。

 

働いているペットショップなどがZPKの会員の場合は、
会員割引があるので、勤務先から申請してもらうといいと思います。

 

テキスト不要という選択肢もありますが、
試験の勉強の為だけではなく、仕事をしていく上で参考になることも多いので、
買っておいた方がいいと個人的には思います。

 

そして、試験合格後には、
資格の認定登録料及び免許証発行料としてさらに10,000円が必要となります。

 

合計40,000円はかなりの出費です。

 

しっかり勉強して1発合格したいところですよね。

家庭動物管理士(3級)の合格率や難易度は?

家庭動物管理士(3級)の資格の難易度についてネットで調べてみると、
比較的簡単で合格率も70~80%とされています。

 

でも、実際に受けた私の感覚と、
実際に試験会場で関係者に聞いた合格率は違いました。

 

まず、合格率。

試験当日、試験会場で実際に聞いた合格率は57%でした。

 

なぜこんなに違うのか?というと、
恐らく、先ほどお伝えしたように動愛法の改正によって
すでに事業を行っている比較的ご年配の方も受験されるようになったからではないかと想像します。

 

私が受けた試験会場でも、
マークシートの塗りつぶしが困難なほど高齢な方も試験を受けに来ていました。

 

また、すでに事業にガッツリ携わっている人達の場合、
「もう知っている知識」と思い込み、
テキストをしっかり読まずに受験される方もいるのではないかとも思います。

 

なので、最新の合格率は57%というのが正しいようです。

 

もう一つ気になるのは、合格ライン(合格点)ですよね。

 

全国ペット協会(ZPK)のホームぺージでは、正答率7割以上と記載があります。

 

試験はマークシート方式で30問なので、22問以上正解すれば合格できそうです。

 

 

そして、試験の難易度です。

57%という合格率からも、難易度は決して軽くはありません。

 

テキストを読んでいて大変だったのは、
猫についてもしっかりと覚えないといけない点でした。

 

私の場合、ペットショップと言っても犬専門のペットショップで働いており、
ネコについては種類も含めほとんど無知だったんですね。

 

なので、猫の名前や、長毛か短毛か、病気の種類などは覚えるのがとても大変でした。

 

逆にネコを専門にしている方は、犬のことを覚えるのが大変でしょうし、
爬虫類などを取り扱おうとしている方の場合、
全然関係ない犬ネコのことを覚えるのは本当に大変だと思います。

 

そもそも、爬虫類や鳥類を専門にされる方は、違う資格の方がいいのかもしれませんが。

家庭動物管理士3級 勉強方法

家庭動物管理士の試験で合格するためには、当たり前ですが勉強しなくてはいけないですよね。

 

受講料として20,000円支払うことで、テキストと講義が受けられます。

 

テキストは受験の申し込みを行うと、受験票等とともに郵送されてきます。

 

講義は、試験当日、試験前に受講することになるようです。

 

ただ、私が試験を受けたときはコロナ感染対策として、
DVD又はWebでの動画受講でした。

個人的にはこの方が良かった。

 

自分の好きな時間に見ることができるし、何度も見直すこともできたので。

普通に講義を受けていたら、聞き逃した部分はもう二度と聞けないですからね。

 

 

ただし、この講義は試験のための講義ではないので注意です。

 

家庭動物管理士には、
覚えるべき分野として大きく5つの章がありますが、
それぞれの分野の専門家の方が重要だと思う箇所を分かりやすく解説してくださるだけです。

 

この講師の方々は試験問題を全く知らないので、試験に沿った講義をするわけではないんです。
(試験当日にZPKの関係者の方から直接聞きました)

 

なので、コロナが終息した後、受講方法が元に戻る(試験会場で受ける)のか分かりませんが、
もし、DVDやWeb配信の方法が残るのであれば、
講義動画を見る前に、まずはテキストをひと通り読むことをおすすめしたいです。

 

その方が、講師の先生が何を言っているのか理解しやすいからです。

 

 

そして、捨てる問題というのがあってもいいと思います。

 

例えば私の場合、
猫の種類で、長毛種か短毛種かを覚えようとしてもできませんでした。

 

なので、『もしこの問題が出たら仕方ない、諦めよう』
と捨て問題として覚えるのをやめました。

 

同じように犬でも、犬種ごとの体高や被毛などは完璧に覚えるのはムリだったので、
ざっと覚えたら、あとは運任せでした。

 

これらは、実際に仕事で触れ合っていく上で覚えていけるものだし、
分からなくてもテキストを見たり、ネット検索すれば分かることなので、
「覚えておく必要性」を感じなかったからというのもあります。

 

試験だからというわけではなく、
「覚える必要性を感じない」部分に関しては捨てていいと思います。

 

あとは、ひたすらテキストを読み込むだけで十分合格できると思います。

 

私の場合、
①テキストを1回読む
②講義動画を見る(一緒にテキストも開く)
③再度テキストを読む
④自信のないし部分を読む

<試験当日>
⑤数字の部分を重点的に最終確認する

 

こんな感じで試験に挑みました。

 

「数字の部分」というのは、
日本で飼われている犬種の数とか、妊娠期間とか、
タンパク質は人間の何倍必要とか・・・そういった数値です。

テキストの中にはさまざまな数字が出てくるので、
内容と数字を再度確認しておいた方がいいかなと思ったから。

 

 

試験時間は60分間、
全部で30問の問題が3肢択一式
で出題です。

 

選択式だから、名前などを完璧に覚えていなくても大丈夫。

 

なので、テキストさえちゃんと読んでいれば、
答えられる問題がほとんどだと思います。

 

ぶっちゃけ、試験だけのことを考えれば講義の動画は見なくても受かると思います。

 

ただ、「仕事」をしていく上では必要な講義だと思うので、
見ておくべきだとは思いますが。。。

 

ちなみに、私が受けた試験では、猫の問題は1問出たかな?くらいでした。

 

法改正後の試験だったため、法律に関する問題が出るかなと想像していましたが、
改正に関する問題は出ませんでした。

 

あと、テキストには載っていない問題も1~2問あったような記憶です。

接客に関する問題だったような。。。

 

 

毎年、大学教授にお願いして試験問題を作ってもらっているそうなので、
作成する先生によって重点を置く部分の偏りがあったりするのかもしれません。

 

また、テキストをしっかり読み込んでいるわけではないでしょうから、
テキストにない問題も出てしまうのかもしれません。

 

 

どちらにしても、ネットで過去問を調べようとしても出てこないし、
頼るのはテキストのみなので、
このテキストを読み込む勉強方法が合格への道だと思いますよ。

家庭動物管理士資格まとめ

家庭動物管理士3級の試験は、想像していたよりも簡単ではあったけど、
ちゃんと勉強しないと受からない試験であることも事実でした。

 

ただ『資格を取りたい』ではなく、動物と関わる仕事をしていくのであれば、
試験に出る出ない関係なく、
覚えておいた方がいいことはテキストにたくさん載っていました。

 

とはいえ、まずは試験に受かりたいですもんね。

 

仕事の休憩時間など隙間時間にテキストを読んで、
試験頑張ってください!

コメント

  1. チワプー より:

    実際に資格取得された有益な情報でした。
    動物関連の事柄に興味があるので更新されるのを楽しみにしています。

    • やよ より:

      チワプーさん、応援メッセージありがとうございます。
      動物愛護法も改正され、動物に対するひどい扱いが減っていくと良いですよね。
      なかなか更新できていませんが、今後お店の実情なども赤裸々に書いて行けたらと思っています。

  2. ミー より:

    ペットに携わる仕事したことないのですが、この資格は半年以上の実務経験がないと受ける資格もないのでしょうか?

    • やよ より:

      家庭動物管理士の試験は、実務経験の有無は全く関係なく受けることができます。
      ただ、実際にお仕事をされて経験をしていた方が教材の理解度は早いのではないかと思います。
      こちらの試験、私が受けたときは、ほぼ100%が犬や猫に関する問題でした。
      いや、犬の問題の方が圧倒的に多かったです。
      ですので、もしミーさんが、犬猫以外の動物に携わりたいから試験を・・・と考えていらっしゃるのであれば、
      実務経験を積んでいても、試験にはあまり生かせられないかな思います。

  3. Kaneshiro chee より:

    テキストはネットで安く購入出来ますかね?
    家内がブリーダーをしていまして知り合いから100ページ位の教科書の様なものを
    一度読んだことがありますが
    環境省を主体としたテキストだと思いますので内容的にはjkc.全国ペット協会etc
    同じだと思いまので何処かで入手先があればいいですが…